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初めての輸入建材の選び方 その③【 デザイナー様・建築士様編|前編 】

2017.07.27

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前回前々回のブログでは、施主様の視点から輸入建材の選び方や採用に際しての心構えについて触れました。今回は仕事を任される側のプロの方々、特に建築デザイナー様や建築設計士様の立場に立ち、どのようなアドバイスが効果的で何を基準に取捨選択を進めるのが良いか、なるべく具体的にお話ししたいと思います。

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・輸入建材を調べてこられる施主様の特徴

  インターネットでは調べれば調べるほど似たような商品や家のイメージが次々と現れて、初めにイメージしていたものがブレたり変わったりすることが本当に多いと感じます。「こだわりと言うほどのものは余りなくて・・・」という施主様でも、お話しを聞く内に「これとこれが気になっていてぜひ使ってみたいのですが・・・」とピンポイントで具体的な要望が飛び出すこともよくあります。ここではまず輸入建材を指名される施主様や知識が豊富な施主様に共通する傾向を挙げてみます。

  • 半年や1年、場合によっては何年も同じ商品について調べられている
  • 自分が選んだものを自分で購入して現場に持ち込もうとされる
  • 色や形などデザイン的な好みが第一優先、次に価格、素材や納期に対する認識は薄い
  • 建材を決めるまでに与えられた時間的な余裕が少ない、もしくは期限を超過している
  • 友人知人など身近な方から見聞きしたことを良し悪しの判断基準にされている

  建材に対するこだわりや知識は、ほとんどがご自身の研究の成果であって、以前よく見られたインターネットのクチコミサイトに依存されるような方は少なくなったように感じます。言い換えればご自身が選んだものに対するプライドが高くなったとも取れます。それに加え、「気になっていた点がクリアになった!(自分で調べたなら自分が気に入ったところに、誰かに聞いたのならその方がお勧めするところに)もうお願いしてしまおう!」と、意外と素早く次の行動に移される方が多いのも一つの特徴のようです。

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デザインを決めるのはだれ?

  では、施主様が重要視されている 「部材のデザイン」 「家のデザイン」 「空間のデザイン」 については最終的に誰が決めるのが一番良いのでしょうか?先に言ってしまうと、イメージを広げるのは施主様の仕事、束ねるのはプロの仕事・・・とある意味当たり前な答えになります。但し、取捨選択のプロセスでは文字通りの”切り捨て”ではなく施主様の意見を最大限尊重した “凝縮と抽出” がポイントになるでしょう。

  ファーストコンタクトの際、ご自身の経験とセンスを総動員して 『これならやれる』 と直感的に判断されているはずです。「これは自分に経験が無いデザインです」「依頼先の工務店さんが普段使わない材料です」は思わず言いそうになりますが施主様に対しては明らかにNGワードです。誰が考えても無理難題で実現可能性がゼロの場合だけ「ご縁が無かったようで」とお断りして良いと思いますが、目の前の施主様は既にプロの方々を「厳選して」その場におられますので、仮に経験が無くても調達に不安があっても、それを理由に壁を作るのではなく、ぜひとも踏ん張って敷居を下げて協力姿勢を示したい所です。

こだわりを貫こうとされる施主様へのアドバイスの一例

  • 情報収集能力には感服します、但しここから先安全・確実な施工のためにお任せいただく部分が出ます。
  • ご希望のものは用意できませんが、違った素材やデザインのものでも家や空間全体の雰囲気は保てます。
  • 時間とこだわりはトレードオフです、今すぐに手に入るものは同時に沢山の人が選ぶものと理解して下さい。

こだわりが薄くお任せ志向のある施主様へのアドバイスの一例

  • 建築雑誌(又は作品集)をお貸ししますので、ご希望のイメージに近い写真があるかどうか見て下さい。
  • 本当にこだわりはありませんか?昔のご趣味は?ご実家にあって今の家にないものは何ですか?
  • 親類や友人の方が来訪された時を想像して下さい、家のどこかを見て褒められると嬉しくないですか?

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長くお付き合いできる施主様と出会うために

  “セルフメンテナンスに対する覚悟” と “業者さんとの長い付き合いに対する覚悟” の2点を 「失敗しない材料選び、業者選びのコツ」 としてお伝えしました。好きで選んだ材料をまずは認めて欲しい、そして大事に施工して欲しい、できれば長く面倒も見て欲しい、という願望がどの施主様にも共通してあると感じます。「希望ばかり、お願いばかり」と捉えると後々のお付き合いが重たいものになってしまいます。でも、考え方によっては「あなた方プロに任せればどんな荒波も乗り越えられる」という勢いで「大舟」を探しておられるのです。ならばそれに乗っていただいて、「我々の舵取りをそこに座って見ていて下さい」という勢いで返す事ができれば、お互いの覚悟で固い信頼関係を築けるかも知れません。(契約に至れば適切な乗船料をいただきましょう)

  「あふれる情報をうまく交通整理してきれいな流れに整えてくれた」、「自分や家族の好み・ライフスタイルを見事に理解して具体化してくれた」、「工事中も最初から最後まで気にかけてくれて細かい指示を出してくれた」など、家作りに満足された施主様が共通して残される感想があります。計画の初期段階がやはり肝心で、始めの協力姿勢しだいでその後の印象がおよそ決まってしまうと言うことができます。こだわりと同じだけの覚悟があって、心を開いてくれる施主様との良い出会いは、日頃の真摯な姿勢が引き寄せてくれるのかも知れません。

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  次回は 【 デザイナー様・建築士様編|後編 】として、時間と予算が限られる中で予想される施主様とのやりとりの効率化や、打合わせを上手に進めて信頼を得るためのアイデアについて考えてみたいと思います。

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