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2016年9月27日

シンプソンドアと長く付き合うメンテナンス方法

前回、シンプソンドアの耐久性のポイントをご紹介しましたが、今回は木製ドアを使うにあたって必要になる「メンテナンス」について、実際にどのような点に気を付けて何をすれば良いのかを次の3点に分けて説明したいと思います。

 ①トップコートが命
 ②塗装と着色のメンテナンス
 ③ドア交換のチェックポイント


   ①玄関ドアの保護は「トップコート」が重要

多くの方が気になるポイントが木製ドアの塗装の劣化と塗り替えのタイミングだと思います。「何年に一度必ずやらないといけない」という決まりはなく、劣化が進んで補修ができなくなる前に、新品に塗った時と基本同じ塗料を使って、塗り直しを行うのが一般的です。では何を見て”劣化している”と判断するのでしょうか?ポイントは◆トップコート(表面保護膜)です。

トップコートとは素地の木材に着色したのち、退色や汚れ防止、防水の目的で塗る、透明かそれに近いウレタン樹脂などでできた塗膜のことを指します。この塗膜が紫外線などで劣化すると、表面の艶がなくなりカサカサとした手触りになってきます。こうなると保護膜の層には目に見えないひび割れが無数に入った状態になり、湿気や雨水が木の内部に浸みこむ原因になります。

トップコートの劣化に気付いたら、なるべく早い段階での塗り直しをお勧めします。退色が目立たない段階であれば、そのままクリアウレタン等の塗り足しで対応できる可能性も高いです。もし塗装の種類が分からない場合は実際に手を加える前に建築業者様や塗装業者様などプロの方へ相談されてから、が原則です。

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   ②かなりの傷み方・・・「塗装と着色のメンテナンス」は?

初めのうち綺麗な外観を保っていたドアも、年月が経過するうちに、おのずと表情が変わり、色や形も木製ドアならではの変化を示します。日が良く当たり雨の影響も受けたドアは、徐々に「干割れ(日割れ)」を起こし、上述のトップコートと共に素地の表面がカサカサに乾いたような艶の無くなった状態になります。元々艶の無い仕上げがされたドアであれば表面の毛羽立ち具合いで判別できます。この時点でトップコート層はドアを保護する役割が既にゼロになっていると言えます。

このレベルのドアのメンテナンスは”一旦塗装を全て剥がす”事から始めます。それなりの手間を覚悟する必要がありますが、サンドペーパーを用いて中目番手(240番)→細目番手(400番)の順に念入りに研磨を入れるのが一般的です。結果、ドアの表面にキズやカビ跡、剥離などが目立たなければ、質の良い油性もしくは水性塗料を用いて、新品の時とほぼ同じ塗装仕上げができます。

もし、研磨後の状態が悪く、小さくてもクラックが多数ある、剥離が目立つ、框と框の隙間が目立つなどの場合は、一旦表面を平滑にする作業(パテ埋めと研磨)を入れる必要があります。パテによる補修後に木目を生かした仕上げをする事は推奨できませんので、不透明ペイントを用いて違う表情のドアに塗り換える事になります。


   ③いよいよドアを交換、気を付けるポイントは?

古くなったら交換・・・これは無垢系の木製ドア、特にシンプソンのような造りのしっかりしたドアにはあまり当てはまりません。上記のような手順で表情は変わっても玄関としての最低限の機能と見栄えをメンテナンスで保つことが出来るからです。木製室内ドアに関しても全く同様です。枠やパッキンの傷みも同時に対処する必要はありますが、交換を考えるのは15年・20年という長い年月が経ってからでも良いと私たちは考えています。家の外壁が変わり家族構成も変わり、家そのものの役割に変化が生じた時に「おつかれさま」の意味を込めて全く新しいドアをチョイスして心機一転されるのはいかがでしょうか?それまでは同じドアを長く使うのがエコ感覚豊かなオーナー様です。

もし交換すると決めた場合は、初めに「枠の傷み具合」「手を入れる範囲」の判別が重要で、これはプロにお任せする仕事になります。その後、ドアサイズ、パッキンの種類、ハンドル金物の互換性を確認して、業者に見積を依頼する流れになります。枠に問題がなくドアパネルのみの入れ換えで済む場合は、建具交換と塗装で2日間程度、枠からまるごと全て入れ換える場合は外壁にもよりますが最短でも1週間程度の工事が一般的です。(シンプソンドアはシアトルからの取り寄せに約2.5ヶ月の納期が必要です)

ドアサイズは納入形態によって微妙な差が見られる場合がありますが、北米ドアは原則フィート/インチの規格に沿って製造されたものばかりです。例えば914x2032x44mmなどはっきりした規格が存在しますので、北米ブランドの輸入ドア同士であれば交換に支障はありません。

交換で新品になったドアもメンテナンスを怠れば傷みが早く来てしまいますので、強い雨の後には水滴を拭き取るなど普段からドアを気に掛けて大切にする心も必要です。

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ここまでシンプソンドアの様々な特徴から建築計画の工夫、メンテナンスまでを順にご紹介してきましたが、弊社で実際にドアを納入させていただいたお客様はご自分のチョイスに満足され、多少のクセを含む木製ドアの特性を理解された上で、愛着を持って接しておられます。

普段の生活に馴染み大切な家族やお客様を迎え入れて守る・・・ ”お家の大切なパートナー” としてのドアをあなたの傍らにも置きませんか?


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